5月19日AM9:00ころ目が覚める。外は晴れている、直射日光が暑そうだ。ためしに外へ出てみたが帽子をかぶっていないと、五分ほどで熱でボーっとしてくる。これは厳しい戦いになりそうな予感。

ホテルで朝食をとる、バイキング方式で選んだのはナシゴレンと鶏肉、飲み物はミネラルウォーターしかなかった。別のゾーンにはマッチコミッショナー専用の食事が用意されていて、そこにはコーヒーも。
席に座るとホテルの人が近づいてくる、コーヒーを飲むか?と聞いてきたので、欲しいと答えると、マッチコミッショナー用のコーヒーを持ってきてくれた、日本人は扱いが違うのか?

食事を終えロビーでくつろいでいると、いろいろな人が話しかけてくる、もちろん話題はサッカー。YOKOHAMAを応援しに来た日本人がいることは、周知の事実。ホテルの客にはクディリの応援に来ている現地人もいて、YOKOHAMAなんかたいしたことない、というジェスチャーをする人も。
ホテルの従業員も試合を観に行くらしくチケットを見せてくる、この前の15−0の城南戦の話題をふると、悲しかったと言うので、こっちも悲しかったよ、そのせいで城南に逆転されたから、とアピールしておきました。でも現地の人はみんなクディリが勝つよって言ってた、どこまで本気か分からないけど。悪いけどウチは何点取れるかが問題で、負けることなんて絶対ありえません。

2ndクラス(カテ2)のチケ。1万Rp、約130円

ホテルを出るのはPM1:00の予定で、まだしばらく時間があるのでクディリの街をぶらぶら、軽く食事をしようということで、食堂らしきところへ入る。
英語が通じないのあれこれ指差しながら適当に持ってきてくれとアピール、何とか通じたみたい。鶏肉と野菜と肉の入ったスープが出てきました。あとナシ(ご飯)を注文。
    
これも旨い           ケディリの町並み              その2

PM1:00ホテルをチェックアウトしてスタジアムへ向かう、このころから空に薄っすらと雲がかかりはじめる。
スタジアムへ向かう道路に出ると、周りはもう紫だらけ。バイクあり、車あり、荷台に大勢乗っているトラックもいる。噂にたがわぬアウェーの雰囲気。

スタジアムに到着、はじめはゴール裏に行こうと思い(これは後に大間違いであったことに気付く)、2ndクラスのチケを買う(上の写真)、記念に5枚買いました。
そして、ゲートへ。入り口にところでヤディさんが警備をしている警察と話をしている、その間、周りに興味本位でペルシクサポが集まってくる。
    
警察と話をしているガイドのヤディさん(左上奥)  周りは
  
ペルシク                   サポだらけ

警察との話の結果、日本人専用の入り口があるらしく、そこ以外は危険なのでダメだとのこと、再び移動。
本当は近くにあった屋台で、ペルシクグッズをたくさん買おうと思ってたんだけど断念、そこまでの余裕はなし。もっと時間に余裕をもって来ればよかった。

案内された場所はメインスタンド真後ろのVIP関係者入り口、選手が使う入り口ですよ、しかもチケもいらない、タダで入れた。

ここから入りました

中に入ると完全隔離状態、周りは金網で囲まれてました。そこのスペースの三分の一が日本人席、三分の二が現地のVIP席。
ちなみにトイレとかも選手が使うのと同じところ、迷ったフリをすればロッカールームに行けるのではというほど完全フリーVIP扱い。
昨日日本からの飛行機で一緒だった人たちもいて、現地の日本人の人も来てました。でも日の丸とか出てて、なんか代表をマッタリ応援するような雰囲気でなんか拍子抜け、まあ仕方がない。

思ったより入場に時間がかかってしまったので急いで応援の準備。最初、ヘッズの通称「チャダフラッグ」や「甘味処フラッグ」を客席に広げていたが、ダメ出しが出たので、観戦に邪魔にならない金網のところに貼ることに。選手がピッチへ入場してくるメインの入り口から、おもいっきりピッチわきまで出て作業しても何も注意されず。何気に貴重な体験。

目の前では達也が練習

こっからはいろいろ忙しかったんで写真はあまりありません。

一通り準備を終えて、マスターが他の客へ挨拶、残りの三人で三色の帯を一本ずつ持って「エ・フ・マリノス」コールからコーヒールンバへ。
韓国のときもそうだったが、地元のメディアが興味津々、写真やTVカメラで撮られまくり。特にコーヒールンバが好評で、綺麗に撮りたいからと、やらせでコールさせられました。
しばらくするとガイドのヤディさんから、インドネシアのTVが日本から来たサポーターにインタビューしたいとのこと、なぜか俺が代表でインドネシアのTVにさらされました。受け答えは以下。

インタビュアー「どこから来ましたか?」
俺「日本の横浜からです」

インタビュアー「この試合に望むことは?」
俺「大量得点での勝利です」

インタビュアー「予選突破は苦しい状況ですが、もしダメだったら?」
俺「選手が気持ちを出して頑張ってくれればいいです」

いたって真面目に答えておきました。通訳を横に置いて、TVカメラの前でインタビューなんて、なんか不思議。

しばらくしてペルシクサポも応援を始める。これがなかなか面白い。
曲やリズムは同じだが、前にダンスリーダーがいて、その人に合わせて様々な振り付けで踊る踊る。詳しくはこちら
門旗君と二人で真似をして踊ってたら、後方のペルシクVIPから拍手喝采が。
ゴール裏はホームもアウェーも関係なしのペルシクゾーン。こんなところには入れません。
  
スタジアムの風景              その2
  
いちばん熱狂的だったとこ         塀の上まで

いよいよ選手が入場してくる、マリノスの選手たちが一列に並んでこちらに挨拶、その時。
ハユマがこっちを見て「なにこんな遠くまで来てんだよ」みたいな感じでニヤッと半笑い。俺の捉え方が歪んでいるだけと思いたいが、あれは去年のナビスコのヤマハスタジアムで前半終了後の福西の挑発的な半笑いに匹敵するほど感じ悪かった。

試合開始。このころには厚い雲が空を覆っていた。気温は暑いが、直射日光がないのでいい条件になったと思ったのは大間違いでした。
試合経過などはもうご存知だと思うので、かいつまんで。

システムは4−4−2。2トップは安と久保。中盤は那須のワンボランチで右ユキヒコ、左はサンチョル、トップ下が奥。DFは勇蔵と中澤のセンターバックでサイドのドゥトラとハユマは積極的に上がるのでほぼ2バック状態だった。

前半1分、左サイドペナルティエリアやや外側45°からドゥトラの美しいミドルシュートがゴール右上すみに決まる、いきなり先制。
その後も圧倒的にボールを支配し責め続ける。8分には安のゴール、これはいけるぞ。
17分、奥のシュートが際どく左に外れる、こういうのを決めておかなきゃ。
23分に久保の豪快なヘッドが決まる、よしまだまだ。
28分の安のシュートが外れてから、雰囲気がおかしくなった、その後なかなかゴールが決まらない。
44分にサンチョルのヘッドで4点目、前半もう1点ほしいところ。
ロスタイム、サンチョルがドリブルで独走、ゴール前から放ったシュートはクロスバーに、惜しい。

結局前半は4−0惜しいシュートが何本もあったのでちょっと残念。そして、ポツポツと雨が降り始める。
降り始めたと思ったら一気に豪雨へ。ベンチ周りは瞬く間に、くるぶしくらいまでつかるほどの水溜りに、っていうかちょっとした池。
ピッチも見た感じドロドロになっていそう、これはヤバイ、なんとか後半開始が遅れないかと願う。

こんな感じ、映像はこちら

ここでちょっとした事件が、金網に掛けていた「チャダフラッグ」がペルシクサポの雨宿りとして利用されている。

このあと大変なことに

そしてそのまま客席のほうへ持っていかれてしまった!気付いたマスターが金網を乗り越え奪還すべく特攻、俺と門旗君も金網をよじ登り様子をうかがう。しばらくしてフラッグを抱え戻ってくるマスター、怒声の飛び交う中、こちらに中指を立てているヤツもいる、石とかいろんなもの投げられたらしい。
近くにいた地元の警官には腕を引っ張られ危険だからやめろと言われた、いつの間にかマリノスのスタッフの人も来てて、危ないからとたしなめられました、ご迷惑おかけします。

日本からの連絡で城南とビンディンは2−1とのこと、何とかいけるかとも思ったが、甘かった。

結局後半開始が遅れることもなく、どしゃ降りの中後半開始。
ボールは弾まない、ドリブルもままならない、パスの加減も難しい、サッカーになってなかった。

雨でテンションが上がったのか、ウチのスローインやコーナーキックの時にはスタンドからいろいろな物が投げ込まれる、目視できたもので、トイレットペーパーらしき物や木片など、おそらく石なども含まれていたと思われ、相手選手がスタンドに向かってやめろと、止めに入る場面も。後半だけでもドゥトラのコーナーキックは三回直接ラインを割りました、雨の影響か、物の影響か・・・。

そして70分中澤がヘディングで競った時に相手の肘がもろに入った。それを見たサンチョルが何をするんだと相手に迫る、そして相手選手が突っかけてくる 、これを合図に両チームの選手が入り乱れての乱闘騒ぎに。
ボールをぶつけられた坂田が興奮して相手に突っかかっている、止めに入っている選手を引きずってまで。

結局坂田と相手の誰かが退場、相手は二人ぐらい退場になっても良かったんじゃないかと思ったんだけど。

後半の半ばごろには雨が小降りに、ウチは勇蔵とサンチョルの2トップ下に山崎という布陣でパワープレイを仕掛けるが相手もゴール前に人数をかけて守る。85分にはカウンターから右サイドをつかれ、クロスからのヘディングで失点。上がりっぱなしのところに、こういうピッチには慣れているはずの相手、これはもう仕方がない。

結果はご存知の通り。終わってみれば前半の取りこぼしが痛かった。うまくいけば7点ぐらい取れてたから、でもこれがサッカー。

約1万5千人くらい入ったスタジアムで日本人は約20人、ガチで応援してたのは4人だけ(ガイドのヤディさん、一緒にマリノスを応援してくれてありがとう)、イスラムの祈りにアラーの神が応えて降らせたスコールに負けた一戦でした。

現地の警察の指導で、ペルシクサポが全員スタジアムを出るまで待機、許可が出て外へ出るとすぐ隣の部屋で会見が。
  
記者会見場                  岡ちゃん

入った所が関係者入り口なので出るときも同様、したがって周りには選手が出てくるのを待つペルシクサポだらけ、でも1点取ったのが良かったのか、みんな友好的、 帽子やマフラーを指差し交換してくれと、やたら迫ってくる。自分は安いマリノスのタオルマフラーとよくわかんないペルシクマニアのタンクトップを交換。こんなこともあるかと思って交換用に1本余分に持ってきて良かった。次にこういう機会があったら、安いマリノスグッズをたくさん持って行こう。
    
出待ちをするペルシクサポ    車内に乗り込んでもグッズ交換を求められる、大人気の門旗君


ガラス越しに、車の周りは囲まれてこんな感じだった

選手バスを先に出発させて人がやや少なくなったところで、選手バス同様パトカーに先導されて出発。

前方のパトカーに先導されました

いつの間にか猛スピードでパトカーを追い越してしまったトヨタキジャン。実際先導が必要なほどではなかった。これから6時間かけてジョグジャカルタへ帰ります。

長い長い観戦旅行記はまだまだ続く。

 

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